「秋田屋らしい飲み物を作りたい」「あっと驚くはちみつレモンを作りたい」そんなぼんやりとした考えから 始まったドリンク作り。１年半の歳月をかけて開発した秋田屋初のドリンクは、 １つ１つの小さな手間を積み重ねることで、最後大きな味の違いに結び付くんだと実感した取組みでした。 レモネードの印象がガラッと変わる、はちみつ屋さんにしか作れない「大人の発酵レモネード」をご紹介します。 ※希釈タイプなので、３倍程度に希釈してお飲みください。

今回のレモネードでは、まるごとレモンをスライスして、 そのまま調味液の中で１ヶ月ほど味が熟成されるのをひたすら待ち続けます。 この発酵というひと手間によってレモンの酸味は次第に角が 取れ、まろやかで包み込むような酸味に変化するのです。 また同時に、香り成分が微生物のもつ自然のチカラによって増強され、 フレッシュなレモンにはない芳醇な味わいを醸し出してくれます。

こちらのレモネードでもう１つこだわったポイントが 『砂糖を使わず、はちみつの自然な甘さだけで仕上げる』こと。
少しマニアックな話になるのですが、砂糖は単一の糖でできているのに対し はちみつは複数の糖から成るため、同じ甘味でもより複雑で深みのある味わいとなります。
この味の”深さ”がポイントで、今回発酵レモンを使用したことでレモンの 味に厚みが出たため、砂糖の単純な甘さでは酸味と甘味のバランスが 取れず、全体にまとまりのない味になってしまいました。そこで全ての 甘味をはちみつで出すよう改良したところ、全体で調和の取れた バランスのよい味わいを実現することが出来ました。

ただ、砂糖よりも高価なはちみつを大量に使用するために、 このレモネードははちみつ屋さんでないとコスト的に 作るのが難しいものになってしまったのですが、 砂糖で作ったレモネードよりも美容や健康によい成分を たくさん含んでいたり、砂糖に比べカロリーを抑えることが 出来たりと良い面もあるので、そこは大目にみていただけると嬉しいです。
※　発酵液に含まれる甜菜糖を微量だけ含んでいます。

発酵レモンとはちみつを使って丁寧に丁寧に作ったレモネードは、 今までにないまろやかでやさしい味わいに仕上がっています。 香料や酸味料、甘味料といった添加物も使用していないので、 暑い夏にゴクゴクといった通常の飲み方だけでなく、 夕暮れ時や宵の一杯として、体をいたわりながら飲んで いただくのにもピッタリです。

ここまでご紹介した方法で全く新しいレモネードが出来たのですが、 １つ新たな問題が。このレモネード、自然の発酵のチカラで 味を整えているため、発酵の進行具合によって作るたびに 微妙に味が変わってくるのです。 そのため毎日発酵の様子を見ながら丁度よい発酵具合になった所で ビンに詰めるという、これまた手間のかかる方法をとることに なりました。 それでも仕込みの度にどうしても『違い』は出てきてしまうので、 そこは発酵のならではの楽しみ方と、おおらかな気持ちで違いを楽しんでいただけると嬉しいです。